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雑記帳
このホームページの表紙の一見紅白の幕のような絵は、大沢昌助の出発という作品です。
わたくし美術館運動を主宰していた尾崎正教氏が、ビデオ撮影のためにアトリエを訪れた際に、たまたまこの作品を制作中であって、随伴のカメラマン輪島氏が、『先生、この作品のタイトルは出発がいいのでは・・』と言うので決めたと、後日先生から伺った。
しかし、それは先生独自のテレからの発言であって、もともと意中のタイトルであったと思う。
この年1990年8月に弟三郎氏が亡くなり、レクイエムと言う作品を制作している。
千葉御宿の海を背に三郎氏を描いた一連のシュールな作品は、大沢昌助初期の傑作である。特に「夏の日」(1938 岐阜県美術館)、「岩と人」(1940 東京国立近代美術館)がいい。この時期は、大沢のまさに黄金の日々であった。レクイエムと出発は共に120号の大作で、一方が白黒の幕、もう片方が紅白の幕と対を成した作品である。レクイエムを描きながら、かつて御宿の別荘で過ごした芸術至上主義的日々を思い起こさないはずはない。また弟の死が、残された時間を思わせ遂に突き抜けたのであった。87歳の出発である。(つづく)
2003・5・25 kaneko |
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